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일본자본주의논쟁사 72p (OCR test) 본문
の一つの矛盾であると批判し、また服部のあげている砂鉄製績業のマニュ側は滝宮であるから、「かかるものをいかなる性質を有するものとみるべきかは、一の問題であろう」と批判した。みぎのような批判にであって、服部はただちに筆をとり、自認を補足しつつこれにこたえた。かれはまず、土屋による前機械制の資本制的経営の三形態=三段階の規定をとりあげ、土屋が資本制家内労働とマニュとか相互におぎないあうものとして、経済史上で同一の特定段階をあらわしていることを理解せず、それらをきりはなしてそれぞれちがった発展段階にぞくするとするのは、理論的に根本的なあやまりではないか、と反げきをくわえる。レーニンもいう。「農民側小営業もはたまた機械的大工業も、ともに家内労働なくしてはなはだ容易にすませうる。けれども資本主義のマニュファクチュア時代……は、家内労働なくしてはほとんど・あるいは全くかんがえられない」と。かくて服部は、土屋の実例不足云々の批判は意味ないものであるとなし、資本制家内労働とマニュとの不可分の関係を理解するならば、たとえ実例はすくなくとも、それは科学的方法の上に整序されたものとして「厳マニュ時代」の証明に役だっていることがわかるはずだ、しかるに土屋は、多くのマニュ事例をあげながら、マニュの本質理解の不足のために「厳マニュ時代」の検出になんら役だたせえないのである - と。かく服部は応戦しつつ、さらに前論より一歩をすすめて、厳マニュ時代説の基本条件として、つぎのような注目すべき解明をあたえた。「私が幕末=マニュ時代論をいうに当って、全国的大市場の存在、賃労働者を使用する大経営の事実、買占商業資本と密接に結びついて大(産業)資本の発生、作ってまたマニュと家内労働との広汎なる結合の問題、等々において論証せんとしてい又もっと基本的な諸問題、例えば一国において国内市場だけを国是として、はたしてること。